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広ダイナミックレンジイメージセンサ

ダイナミックレンジ拡大手法

ダイナミックレンジ拡大を図る1つの方式として、1フレームの中で露光時間が異なる複数の信号を高速に読み出しを行う。 長時間信号は3つのタイムSlotを使って露光を行う。長時間信号の読出し時間の中で、短時間の信号蓄積を行う。 さらに、短時間と極短時間露光信号の読出し時間を利用し、極短時間と極極短時間の信号蓄積を行う。 ここで、1つのTime Slotの時間は1Frame時間の1/6になり、実時間処理のため、Unit Timeは 1/180s=5.5msとなる。 それらの4つの信号を合成することによって線形応答により広ダイナミックレンジ化を実現する。

複数露光信号.

広ダイナミックレンジイメージセンサ

複数露光手法に基づいた広ダイナミックレンジイメージセンサを試作し、その性能評価を行っている。 ダイナミックレンジ拡大には、高速で高分解能のカラム並列型A/D変換器が必要であり、 その新しい方式として、高精度巡回型A/D変換方式を提案し、試作したCMOSイメージセンサに組みこんで評価した結果、 12ビット分解能で最大0.3LSBの微分非直線性誤差が得られることを示した。 これは、カラム並列型として報告されているA/D変換器の中で最も高精度な値である。 水平周期よりも短い極短時間の信号蓄積を可能とすることにより、線形応答方式としては最も広い153dBのダイナミックレンジが実現できることを実証している。

チップ写真. 広ダイナミックレンジ合成図. 微分非直線性(DNL).

応用分野

車載カメラ,セキュリティカメラ,産業用カメラなどへの応用が期待されます.

文献

  1. M. Mase, S. Kawahito, M. Sasaki, Y. Wakamori, and M. Furuta, " A Wide Dynamic Range CMOS Image Sensor with Multiple Exposure-Time Signal Outputs and 12-bit Column-Parallel cyclic A/D Converters," IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol. 40, No. 12, pp. 2787-2795, Dec., 2005
  2. J. H. Park, M. Mase, S. Kawahito, M. Sasaki, Y. Wakamori, and Y. Ohta, " A 142dB Dynamic Range CMOS Image Sensor with Multiple Exposure Time Signals,"," Proc. 2005 ASSCC A2L-3, pp. 85-88, Taiwan, Nov. 2005.
  3. J. H. Park, S. Kawahito, M. Furuta, M. Sasaki, Y. Wakamori, M. Mase, and Y. Ohta, " A Wide Dynamic Range CMOS Image Sensor with Improved 12-bit Column Parallel Cyclic ADCs," The Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers, Vol. 61, No. 3, pp. 360-368, Mar. 2007.

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