従来,フォトンカウンティングを用いた超高感度撮像には,光電子増倍を用いるのが常識とされてきました.しかし,光電子増倍には,増倍率のゆらぎによる過剰雑音があるため,複数同時に同一ピクセルにフォトンが到来した場合には,正確なフォトンカウンティングができなくなります.本研究では,光電子増倍を用いることなく,微細加工技術による微少容量と適応量子化検出によるフォトンカウントイメージングの手法を提案し,その実証を目指しています.以下は,本手法によるフォトンカウンティングモードでのモデル式と,その計算結果です.量子化ステップ(D)を1電子あたりの変換ゲインの整数倍に選び,量子化ノイズがゼロになる条件で動作させたとき,その読み出し回路のノイズが量子化ステップの約1/10のときに,ほぼ無雑音といえる領域が現れることを見いだしました.
sn:ノイズのr.m.s.値 | 量子化ステップに対するノイズ振幅と量子化による雑音電力低減効果 |